感染症にかかりやすい・重症化しやすい方について

2025.05.28

基礎疾患（持病）をお持ちの患者様は、一般的に重症化のリスクが高いと言われております。感冒、新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス感染症とはじめとする感染症の予防に注意を払う必要があります。必要以上に恐れる必要はありませんが、感染症流行時には対策することをお勧めします。

かかりつけ医に定期的な受診をする

新型コロナウイルス感染症が流行していたころ、病院での感染を避けるため通院や健康診断を避けてしまう方がしばしばおられました。基礎疾患（持病）の疾患コントロールが不十分な状況下では各種感染症の重症化のリスクが上昇することが知られております。当院では一般外来診療と感染症診療の入り口、診療スペースを分けることで診療所内での感染のリスクを下げるよう対策をとっております。定期通院を継続し基礎疾患（持病）の疾患コントロールすることが、重症化予防の近道です。病状を悪化させないためにもいつもの様に気軽にご受診ください！！

外出時の注意

• マスクの着用
• 手洗い
• アルコール消毒の遂行
• 大きな声での会話などを控える
• 密閉空間（換気の悪い場所）を避ける
• 屋内はもちろん屋外であっても密集場所（多くの人がいる場所）に行かない、密集場所に行った場合は速やかに移動する
• 密接場面（互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為）を行わない。他人と十分な距離（2ｍ）をとる
• 咳エチケットに心配りしましょう（右のいずれかを行いましょう。マスクの着用、ティッシュ・ハンカチ、袖で口や鼻を覆う：飛沫をさせない）
• 手洗いの遂行、手指の消毒をこまめに行いましょう

その他例

• 飲食店など着席を要する場所でも距離をとりましょう。
• 多人数での会話は避ける
• 隣席は空ける
• 互い違いの着席にする
• 会話をする際はマスクを着用しましょう（5分間の会話＝1回の咳）
• 電車・バス、エレベーターなどの密接する可能性が高い空間での会話を控える

自宅での注意

基本的には、外出時に準じた対応を心がけることが大切です。家庭内感染が増えているので気を付けましょう。

• こまめに手洗い・手指消毒をしましょう
• 定期的に換気をしましょう
• 手で触れる共用部分を消毒・除菌しましょう（ドアノブ、テーブル・イス、スイッチ、トイレ内、洗面台など、人がよく触れるところはアルコールや家庭用除プレーなどで拭きましょう）。
• タオルなど洗浄・洗濯前の物の共用は避けましょう
• （特にタオルは、洗面所やトイレで共用しないようお互いに注意しましょう）

新型コロナウィルス感染者データについて

新型コロナウイルスを含めた感染症は、全ての方が感染、重症化するというわけではありません。無症状の方や発熱・咳・倦怠感の軽い症状から、命にかかわるほど重症化、最悪の場合、命を亡くしてしまう方もいらっしゃいます。
免疫力低下につながる持病（基礎疾患）がある方は、新型コロナウイルスなど感染症にかかりやすく、重症化、やすい傾向にあります。
日本国内で新型コロナウイルス感染症によって入院した患者2,636例（2020年3～7月）を対象におこなった調査では以下の通りの結果が出ています。
国内患者数と比較し、糖尿病、高脂血症を持病がある方は重症化しやすいと言えます。

（※データは、我が国の新型コロナウイルス感染症対策分科会（2020年8月24日開催）資料から）

また、新型コロナウィルス感染者516例（2020年3月）を対象におこなった調査では、男性、高齢、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などの持病がある方は重症化、死亡するリスクが高いとの結果は以下の通りとなっています。

新型コロナウイルス感染症は肺炎による死亡が多く、肺炎をおこさせないことが重要となってきます。70歳未満では肺炎による死亡リスクはそれほど高くないものの、70歳以上では肺炎による死亡リスクが急に増加している傾向にあります。

中国/約７万人の感染者集計データ

中国での約７万人の新型コロナウイルス感染症患者を集計したデータでは、心臓病、糖尿病、喘息などの病気をもつ方の致命率は、健康な成人に比べると6～11倍程度も高いという結果が出ました。