痛風とは
血液中に尿酸が多くなった状態になると高尿酸血症と診断されます。尿酸は水分に溶けにくい性質で、血液中では尿酸塩(尿酸の結晶)として存在しています。
尿酸塩の結晶は、針状の形をしていて、これが関節などに溜まっていくと激しい痛み(とくに足の親指の付け根あたり)を引き起こします。これが痛風です。通常であれば耐え難い痛みで来院する患者さんがほとんどですが、さらに放置すると腎臓障害などを引き起こすこともあります。なお、痛風患者の9割以上が成人男性で占められています。
血液中に尿酸が増えることで起きる痛風ですが、原因は尿酸が体内で多く産生される体質(先天性の代謝異常、造血器疾患、無酸素運動の影響、過剰なアルコール摂取、肥満、食事など)であること、尿酸の排出が悪い(遺伝的体質、腎不全など)といったことが考えられます。
痛風を抑えるには、まず尿酸の元となるプリン体の摂取を控えるようにします。プリン体とは、毎日の新陳代謝で新しくつくり変えられる(体の)細胞の核から生成される物質で、レバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわしなど一部の魚介類に多く含まれています。このほか、アルコール飲料には、尿酸値を上昇させる作用がありますので、飲酒にも注意が必要です。
治療について
治療としては、最初に尿酸値を下げることから始めます。それには食事療法として、プリン体を多く含む食品の摂取を控えめにし、バランスの良い食事を摂ることに努めることです。さらに、禁酒および節酒を心がけます。このほか水分をしっかりとって尿量を増やし、尿と一緒に尿酸を排泄するようにします。
また、運動療法も併せて行い、肥満の解消も目指します。運動につきましては、無理のない軽度の運動(有酸素運動、ジョギングや水泳など)を1日30分以上行うようにしてください。
これらの療法以外にも、尿酸の生成を抑制する薬や、尿酸の排泄を促す薬などが処方されます。その際は医師の指示通りに服用してください。これらの治療法で尿酸値を7.0mg/dL以下を目標にゆっくりと下げていき、数値が下がったら、それをしっかり維持できるようにします。