喫煙者はがんや呼吸器疾患、心疾患、あるいは動脈硬化性疾患にかかるリスクが増すことは広く知られています。また、既にそうした疾患をお持ちの喫煙者の方には、禁煙が治療の一環にもなります。
禁煙外来とは、禁煙したい方を対象にした専門外来のことで、一定の条件を満たせば健康保険がつかえます。
当院の禁煙外来では、患者さんの禁煙が成功するよう禁煙補助薬の処方、生活指導やアドバイスをいたします。 『禁煙したいのに、なかなかやめられない』とお困りの方は、当院までご相談ください。
健康保険で禁煙治療
下記を満たす方は保険診療の対象となります。
- スクリーニングテストで、ニコチン依存症の結果が出ること
- 一日の平均喫煙本数 × 喫煙年数 = 200以上になること(35歳以上の方のみ)
- すぐに禁煙を始める意志があること
- 禁煙治療を受ける旨を、文書にて同意すること
治療期間
禁煙外来は、なるべくストレスを感じずにニコチンの影響を少しずつ減らしていくように行います。また、期間を3ヶ月ときちんと設けることで、実感できる効果を目指します。
治療方法
禁煙治療の際に当院が処方するのは、「禁煙パッチ」と「禁煙経口薬」です。 禁煙パッチはニコチンを貼り薬によって少量摂取することで、喫煙を減少させていく事が狙いです。有害物質が200種類以上あるとされる煙草を吸うこととは違い、純粋にニコチンを摂取する形になります。
徐々にパッチに含まれるニコチンの量を減らして、最終的には貼らないようにしていきます。同じ位置に貼り続けると皮膚がかぶれる事があるため、毎日異なる位置に貼るなどの対策は必要になります。
また、バレニクリン酒石酸塩錠(チャンピックス)という禁煙経口薬は、ニコチンが含まれていません。ドーパミンを少量放出させる働きがあり、それによってニコチンが切れた際のイライラ感を軽減させる効果が見込めます。そのうえ服用することで煙草がおいしく感じなくなるため、喫煙欲求自体が軽減されるようになっていきます。
但し、うつ病を発症している患者さんの場合、症状を悪化させるおそれがあるため処方できません。 副作用として吐き気、不眠症、頭痛などが報告されています。 もしもこうした症状が確認された場合は、使用をすぐに中止してすぐに医師へご相談ください。
費用(※3割負担の場合)
健康保険等による診療の場合、チャンピックスを使用した禁煙治療における患者さんの自己負担額は2万円程度です。 ニコチンパッチを使用した禁煙治療の場合、患者さんの自己負担額は13,000円程度です。
スクリーニングテスト
5点以上当てはまった方はニコチン依存症と診断されます。