納得いく説明の上、治療がしたい
2022.07.25

「医師に伝える関節リウマチ症状シート」を使うなどして、患者様ご自身が、「今、どの状態であるか」をできるだけ正確に医師に伝えることが大切です。
また、患者様ご自身のお気持ちも、是非お聞かせください。
医師は、検査だけでは知りえない情報を集め、診断し治療にあたります。
他に、治療目標もおっしゃってください。
もちろん、最終目標は「寛解」ですが、まずは、手の届く治療目標を医師と共に目指しましょう。
稀に、非常に悪い状態の方が、一足飛びに「寛解」を、とおっしゃる方がいます。関節リウマチの治療は「風邪や擦り傷」と異なり、非常に根気のいる治療ですので、目の前の目標を立てていただくことが大切なのです。この目の前の治療目標を積み重ねていくことで「寛解」へたどり着くことができます。
当院院長がお一人、お一人の患者様に合う、治療法をご提案しても患者様が一緒に同じ方向を向いて頑張っていただくことが一番の治療であり、最も早く「寛解」にたどり着くことができるのです。
どうか諦めずに「寛解」を目指し、一緒に頑張りましょう。
診療にいらっしゃったら、なんでも遠慮なくお話しください。そして、目の前の治療目標を一緒に決めましょう。
きっと納得のできる治療にできるのではないかと思います。
新しい治療を採り入れたい方へ
2022.07.04

リウマチ治療は近年劇的に進化し、生物学的製剤が登場してから10年以上の月日が過ぎました。
生物学的製剤が登場する数十年前まで、リウマチは「不治の病」と言われていた病気と言われ、これまで完治ができない病気とされていました。現在では、7種類の生物学的製剤があり、適切な治療を行うことによって寛解を目指せる病気になっています。
生物学的製剤 一覧
商品名 | アクテムラ | ケブザラ | エンブレル | ヒュミラ | シンボニー | シムジア | オレンシア |
---|---|---|---|---|---|---|---|
一般名 | トシリズマブ | サリルマブ | エタネルセプト | アダリムマブ | ゴリムマブ | セルトリズ マブベゴル |
アバタセプト |
作用対象 | IL-6 | IL-6 | TNFα | TNFα | TNFα | TNFα | CTLA4 |
投与経路 | 皮下注射 | 皮下注射 | 皮下注射 | 皮下注射 | 皮下注射 | 皮下注射 | 皮下注射 |
投与間隔 | 2週毎 | 2週毎 | 週に1~2回 | 2週毎 | 4週毎 | 0,2,4週、以後 2~4週毎 |
1週毎 (初回のみ同日に 点滴製剤の 併用が可能) |
MTX併用 | 単独も可 | 単独も可 併用が好ましい |
単独も可 併用が好ましい |
単独も可 併用が好ましい |
単独も可 併用が好ましい |
単独も可 併用が好ましい |
単独も可 |
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ステロイド薬の使用を中止したい
2022.05.12

ステロイドの副作用については、世の中でも当たり前の様に知られていますが、ステロイドは、疾患によっては、投与することで病気の進行が抑えられ、通常の生活を送ることができ、現在でも重要な治療薬の一つと言えます。
但し、どの様な疾患であってもステロイドに代われる薬剤がある場合は、ステロイドの使用頻度を控えることが望ましい薬剤でもあります。
ステロイド薬は、一時的な使用に限ります!
ステロイドには、骨粗しょう症、感染症、糖尿病、胃潰瘍をはじめ多くの副作用があります。そのためステロイドを使用する際は、最大限の注意が必要です。
副作用を考えた上で、リウマチの治療薬としてステロイドを使用する場合は、使用期間を決めた上で使われるべき薬剤です。
以下の様に中止する時期を予め設定し、一時的の使用に限られます。
- 症状が極めて高く、MTXや生物学的製剤などの効果発現までの期間限定
- 妊娠・授乳中など他の薬剤を使用できない期間限定
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膠原病の治療
2021.08.31
当院は、リウマチ・膠原病専門医としての豊富な臨床経験を活かし、各々の患者さんに最適とされる治療法を提供します。
膠原病の症状に心当たりのある方は、お気軽にご相談ください。
院長紹介膠原病の治療は、対症療法が中心で主に薬物の投与を行います。 病気を引き起こすリンパ球の働きを抑えたり、自己抗体が作られるのを抑えたりするのに有効とされているのが、ステロイド剤と免疫抑制剤です。
なお、膠原病の治療法は同じ病気であったとしても、患者さんによってそれぞれ異なります。
膠原病の治療方針
前述した様に患者様の状態により治療内容が異なります。 膠原病は、異常な免疫反応と炎症反応を抑えることを治療の基本とします。
膠原病 | 治療方法 |
病気を誘引する要素(遺伝、体質など) |
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異常免疫反応(自己抗体出現) |
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身体に現れる炎症(関節、皮膚など) |
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身体に現れる症状(関節、臓器) (関節、臓器など) |
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膠原病の症状
2021.08.31

膠原病の症状は患者さんによって異なります。
以下の症状がよく見られますが、全ての膠原病に共通して認められるわけではありません。 また、膠原病に限られたものでもありません。
- 関節の腫れ・痛み
- こわばり
- 発熱
- 紅斑や紫斑などの皮膚症状
- レイノー症状(※)
- リンパ腺の腫れ
- しびれ など
※レイノー症状とは
寒冷刺激や精神的緊張によって、手や足の指の皮膚の色が蒼白、暗紫になる現象です。
ただ症状が進行すると関節に変形が現れたり、臓器に障害が起きるなど、日常生活に支障をきたすようになります。 そのため、病気を早期に発見し、進行をくい止める必要があります。
膠原病になりやすい人
膠原病は、男性よりも女性に多い傾向にあります。これは、女性ホルモンが免疫異常によるものと考えられており、特に、妊娠が可能な年齢に発病しやすいことが分かっています。 他に、外で紫外線を浴びる機会の多い方やストレスを受けやすいかたなどが膠原病を発症する傾向が高いようです。